2012年1月28日土曜日

ことばと態度

日頃の臨床では、「ストレス」について考えることがほとんどである。
親の育児に対するストレス、こどもが学校で受けるストレス、など・・・。
治療上、「ストレスマネージメント」「コーピングスキルの獲得」なんてことを考えながら
親子の話に耳を傾ける。

当然かもしれないが
「どうやったら他人にストレスを与えられるか」
ということを知らねば、ストレスマネージメントの指導ができない。
他人にストレスを与える最も効果的な方法は

「ことばと態度を真逆にして伝える」。

「気にしないで」とムッとした表情で伝え続けられたことを想像すれば分かるだろう。

よくある「叱らないで」などという“迷言”はほっといて、
叱る時必要なことは

「態度とことばを一致させること」「叱る理由が明確であること」。

特に思春期のこどもは怒られることよりも「権威的な物言い」「嫌味や皮肉」にストレスを強く感じ、これらは往々にしてことばと態度の不一致が生じている。
例えば「そんなに怒ってないんですけどね」という母の表情が既にムッとしており、それをみたこどもはストレスを感じるわけである。
「叱らないであげて」という迷言が、いかに親の「ことば」だけを抑制し、「態度」までは抑制されないということに、気づけるかどうか・・・。

逆に、ほめる時はことばと態度が比較的一致しやすいが、ことば数そのものは少なめくらいがちょうどいいだろう。
ことばで褒めすぎるとせっかくの素敵な表情や態度がマスクされてしまう。
こどもは、親のうれしい表情がただただ見たいんですから・・・。

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