2011年8月16日火曜日

わかっているよ

外来診察では、前思春期からの相談が多い。10歳を越えてから、いろいろと露呈してくる様々な諸問題、複雑に絡み合ってくる。
そして、思春期はやっぱり大変だな~って思う。
どの親も、こどもに対してどうしたらよいか分からなくなってきている。
しかしそれは、まさに思春期を迎えたこどもたちがそう思っていること。

自分で成し遂げたいと思うのに、それが自分1人では無理だ、と気づくジレンマ、
これを乗り越えるのが思春期の大きな課題である。

例えば、受験勉強に何の意味があるのかと、どの子も皆一度は考えてみたりする。
しかし、高校生になりたいというぼんやりとした気持ちもどこかに存在しており、
葛藤の日々である。

たまに「赤ちゃん返り」したっていいじゃないですか。
行き詰るんですから、引き返したくもなるんですよね。
私も時々そうなるかもしれない・・・
気持ちの戻る場所さえあれば、こどもたちは、またそこから旅立つ準備を始めるでしょう。

友だちづきあいも大変な時期。誘いを断りきれなくて、無理してしまったり。
自分の社会よりの評価は、友だちからの評価、と思っている時期。
周囲の大人からの評価は、あやしい・・・と思う時期でもある。
しかし、大人が自分に言ってくれたことの本質を理解できるには、やはり世に出てみないと分からないものだと思う。
あ~これがあの時言っていたことなのか、みたいに・・・。

思春期のこどもたちは、言いくるめられるのがいちばん嫌なのです。
その場で分からせようとされることが、うっとうしくてたまらない。
だから、分からせようと躍起になっても、仕方がないでしょう。

いずれ、「分かってるよ」と穏やかに言ってくれる時が、必ずやってきます。

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